車をあまり使わない場合でも、維持には一定のコストや注意点があります。
走行距離が短くても、放置による劣化や固定費の負担は避けられません。
まずは、乗る頻度が少ない人ほど意識しておきたい3つのポイントを見ていきましょう。

維持費は「走行距離」よりも「所有期間」で決まる

車にほとんど乗らないからといって、維持費が極端に安くなるわけではありません。
自動車税や自賠責保険、車検などの費用は、走行距離に関係なく毎年かかる「固定費」です。
また、駐車場代を含めると、月に数回しか乗らなくても年間数十万円になることも。

もし乗る頻度が少ないなら、まず見直したいのは「保険」と「駐車場」。
必要最低限の補償に絞ったり、自宅に駐車スペースがない場合はカーシェアを利用するなど、固定費を抑える工夫が効果的です。

バッテリーやタイヤの劣化に注意

車を長期間動かさないと、エンジンをかけても動かないことがあります。
これは、バッテリーの放電が進んでしまうためです。

最低でも2週間に1度はエンジンをかけて、15分ほど走行するのがおすすめです。
定期的に動かすことで、エンジン内のオイル循環も保たれ、車全体の健康を維持できます。

保険の契約内容も見直すチャンス

走行距離が短い人は、通常の保険プランより「走行距離に応じたタイプ」の保険に変更することで節約できる可能性があります。
例えば、年間5,000km以下の走行距離であれば、従来の保険より数千円〜1万円ほど安くなるケースもあります。

また、家族で複数台を所有している場合は、等級や契約者をまとめて見直すのも効果的。
使用頻度に合わせて補償内容を整理すれば、無駄のない保険料に調整できます。

走行距離が少ない人にとって、重要なのは「維持しやすく、ムダのない車」を選ぶことです。
車両価格や燃費だけでなく、税金・保険・メンテナンス費などのトータルコストを考えると、選ぶべき車種が自然と絞られてきます。
ここでは、あまり車に乗らない人に向けた代表的な3つのタイプを紹介します。

軽自動車：維持費を抑えたい人にぴったり

あまり乗らない人にとって、軽自動車はもっともバランスの取れた選択肢といえます。

まず自動車税が安く、燃費性能も高いのが魅力です。
車検費用や保険料も普通車に比べて安く抑えられるため、固定費を最小限にしたい人にはうってつけです。

さらに、車体が小さいため駐車がしやすく、狭い道でもストレスなく運転できます。
週末の買い物や送迎など、短距離の用途に向いています。

一方で、長距離走行や高速道路の利用が多い場合は、エンジン出力の小ささが気になることもあります。
用途を限定するほど、コスパの良さを実感できるタイプです。

おすすめ軽自動車：ホンダ　N-BOX

おすすめ軽自動車：ダイハツ　タント

おすすめ軽自動車：スズキ　ハスラー

ハイブリッドカー：低燃費と静粛性を重視するなら

ハイブリッドカーは、ガソリン車に比べて燃費が優れており、環境性能も高いことが特徴です。
あまり乗らない人でも、長く乗り続ける予定があるなら、トータルコストで得になる可能性があります。

また、電気モーターでの走行が中心になるため、街中での静かさも魅力。

信号が多いエリアでもスムーズに走行でき、燃料費を抑えられます。

ただし、購入時の価格がやや高いため、「購入費用」と「利用頻度」のバランスを考えて選ぶのがポイントです。

おすすめハイブリッドカー：トヨタ　ライズ

おすすめハイブリッドカー：トヨタ　ヤリスクロス

おすすめハイブリッドカー：ホンダ　フィット

コンパクトカー：乗り心地と利便性のバランス型

軽自動車では少し物足りないけれど、大きな車までは必要ない。
そんな人に向いているのがコンパクトカーです。

車体が軽く、取り回しやすい上に、乗り心地や静粛性も十分に備えています。

トランク容量もそこそこあるため、家族での外出や買い物にも対応できます。

さらに、最近のモデルは安全装備が充実しており、短時間の運転でも安心感があります。
維持費を抑えつつ快適さを求める人には、最適な中間タイプといえるでしょう。

おすすめコンパクトカー：スズキ　クロスビー

おすすめコンパクトカー：トヨタ　ルーミー

おすすめコンパクトカー：スズキ　スイフト

車をあまり使わない人ほど、実は「固定費の見直し」で大きな節約が可能です。

ガソリン代よりも、保険料や税金、駐車場代などが支出の中心になるため、無駄を減らす視点が欠かせません。
ここでは、維持費を抑えるために効果的な3つの方法を紹介します。

自動車保険を走行距離に応じたプランに変更

あまり車に乗らない人におすすめなのが、「走行距離連動型」や「使用頻度に応じた」自動車保険です。

たとえば、年間の走行距離が5,000km未満であれば、通常プランよりも保険料を抑えられるケースがあります。

また、通勤などに使わない場合は、保険会社に「日常・レジャー使用」として申告することで、さらに安くなることも。

ドライブレコーダー連動型の保険では、安全運転スコアによって割引される仕組みもあり、使い方次第でお得になります。

保険は年に一度見直すだけでも、無駄を減らせる代表的な節約ポイントです。

メンテナンス頻度を最適化する

走行距離が短いと、「オイル交換や点検のタイミング」をつい忘れがちです。

しかし、短距離走行が多い車はエンジン内部に水分が溜まりやすく、劣化が進みやすいという特徴があります。

そのため「走行距離ではなく期間」でメンテナンスを行うのがポイントです。

目安として、オイル交換は半年〜1年に一度が理想的です。
タイヤの空気圧やバッテリー状態も、月に一度は確認しておきましょう。

定期的なチェックが、長期的に見て修理費の節約につながります。

税金や車検費用を抑えるための工夫

軽自動車に乗り換えることで、自動車税は年間約1万円ほど節約できます。

また、車検を通す際には、ディーラーではなく認定整備工場やカー用品店を利用するだけでも費用を抑えられる場合があります。

さらに、車検と同時に自賠責保険を更新すると、手続きがスムーズなうえに割引が適用されるケースもあります。

あまり乗らない人ほど、こうした「固定費の積み重ね」が家計に影響します。
年単位で見直すことが、最も効果的な節約方法といえるでしょう。

月に数回しか車を使わない場合、必ずしも「所有」する必要はありません。

駐車場代や税金、保険などの固定費を考えると、利用した分だけ支払う「カーシェア」や「サブスク」の方が経済的なケースもあります。

ここでは、それぞれの特徴と選び方を見ていきましょう。

カーシェアリングのメリットと注意点

カーシェアリングは、スマートフォンのアプリを使って、必要なときだけ車を借りる仕組みです。

初期費用がほとんどかからず、利用時間に応じて料金を支払うため、コストを大幅に削減できます。

特に、都市部に住んでいる人にとっては、近所のステーションで手軽に車を利用できるのが魅力です。

一方で、人気の時間帯や週末は予約が取りづらいこともあります。

そのため、利用頻度が高い人や、急な予定に使いたい人は少し不便を感じるかもしれません。

車のサブスク（定額制）の特徴

サブスクリプション型の車サービス（＝カーリース）は、月額料金の中に「車両代・税金・保険・メンテナンス」が含まれているのが特徴です。
契約期間を決めて乗るため、所有よりも手軽に新しい車を楽しむことができます。

たとえば「3年間だけ新車に乗りたい」など、ライフスタイルに合わせて柔軟に選べるのがメリットです。

ただし、月額料金はカーシェアより高めになる傾向があります。

「所有するほどではないが、マイカー感覚で使いたい」という人に向いています。

レンタカーとの違い

レンタカーは、旅行や引っ越しなど、一時的に長距離を走るときに便利です。

カーシェアに比べて車種が豊富で、借りる期間を自由に設定できる点も魅力です。

一方で、店舗での手続きや返却の手間がかかるため、日常的な利用には不向きです。

車をあまり使わない人にとって大切なのは、「必要なときに、ちょうどいい方法で使うこと」です。
乗る機会が少ないからこそ、維持費を抑えたり、使い方を工夫したりすることで、負担を減らすことができます。

軽自動車やコンパクトカーを選べば、税金や保険料などの固定費を大きく下げられます。
また、カーシェアやサブスクを活用すれば、「所有の安心感」と「利用の自由さ」を両立できます。
一度、自分の生活パターンを振り返り、「本当に所有すべきか」を考えてみることが、賢いカーライフの第一歩です。

車のある暮らしを、無理なく、気持ちよく続けていきたいですね。