更新日:2023.05.30
一般的に、リース車で事故を起こしてしまったらリース会社へ報告しなければならない
相手のクルマなどの修理費は「任意保険」から支払われる
カーリースのプランによっては「任意保険」がコミコミのものもある
クルマを利用する方法は購入だけではありません。
最近話題なのが、まるでマイカーのように車を利用することができる“カーリース”というサービスです。
月額のリース料金を支払えばクルマが使えるこのサービスを、利用してみたい!と思う方も少なくはないでしょう。
しかし、利用する前にカーリースのことをよく知っておきたいですよね。
今回はカーリースで事故を起こした際に、どういう対応をすればいいのかなどについて解説しています。
過去の記事ではカーリースについての基本的な仕組みなども詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください!
リース車で事故を起こしてしまった!どこへ連絡すればいい?
クルマを運転していて事故を起こしてしまった場合、警察(怪我人がいれば救急車も)へ連絡するのが鉄則です。
上記へ連絡したら、その待ち時間中に担当の保険会社へ連絡を入れておきましょう。
事故の対応についてわからないところがあれば、保険会社へ聞くのが一番です。
また、そのクルマがリース車だった場合、リース会社へ連絡するのも忘れてはいけません。
リース車の持ち主は、あくまでもリース会社です。なので、小さな傷であっても所有者であるリース会社へ連絡する義務があります。
ここでポイントなのが、優先すべきは救急や警察への連絡ということです!
リース会社や保険会社へ連絡するのは救急や警察に連絡した“あと”にしましょう
実際の連絡の流れについては次の章で詳しくご説明します!
「ちょっとした事故だし」と連絡をしないのはNG
たとえ、怪我人や車への損傷がないちょっとした事故だったとしても、かならず警察は呼んでください。
交通事故を起こしたにもかかわらず警察へ連絡しなかった場合は義務違反となり、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が課せられます。
それに、もしかしたら相手が「当たり屋」である可能性も否定できません。当たり屋は最初は善人を装いその場では「大丈夫」と言いつつ、後日「怪我をした」「クルマが壊れた」などと言いがかりをつけてくるパターンがあります。その場合「当て逃げ犯」または「ひき逃げ犯」として重い罰則が課せられてしまいます。
また、別のパターンとして「この場で示談にしませんか」と持ちかけられるようなことも。
もちろん、これもNGです。
「人身事故扱いで行政処分になりますよ」と言われると、怖くなってその場で示談という流れに乗ってしまいかねませんが、かならず拒否しましょう。
「自分たちだけで示談交渉を進めない」「事故を起こしたあとで警察を呼ばない、という選択肢はない」という2つのことを肝に銘じておくと、有事の際に安心ですね
実際に事故を起こしてしまった場合の流れ
今回は別の車両とぶつかってしまった場合を例に挙げています。ガードレールや電柱にぶつかった場合なども基本的に同じ流れなので、ぜひ参考にしてみてください。
- クルマを移動させる
- 警察・救急へ連絡を入れる
- 情報の交換、証拠の保全をする
- リース会社、保険会社へ連絡する
車を移動させる
事故を起こしてしまったら落ち着いて、冷静に対処しましょう。
まず、車と怪我人を安全な場所まで避難させます。
クルマはハザードランプをつけた状態で、路肩などに停車させておくといいですね!
クルマを置いたままにしておくと、後続車の邪魔になってしまいます……。また、最悪の場合二次被害も生みかねないので十分注意したうえで移動させましょう。
警察・救急へ連絡を入れる
クルマと怪我人の安全が確保できたら、救急車と警察へ連絡をいれてください。これは人を巻き込んでいない事故であっても同じです。
事故を起こした際に警察へ連絡することは、道路交通法で定められています。
「だれも怪我をしていないから」「目撃者もいないし、バレないだろう」と考えて、連絡を怠ることは絶対にNGです!
事故を起こしたときには警察へすぐに連絡をいれるのが義務となっています。また、相手がいた場合、その相手が当たり屋の可能性も考えられるでしょう。
そういった余計なトラブルを生み出さないためにも、事故を起こしたらその場ですぐに必ず警察へ連絡を入れてください。
情報の交換、証拠の保全
救急と警察へ連絡が済んだら、事故の相手と連絡先を交換してください。
事故を起こした、もしくは巻き込まれた場合、基本的なやり取りは保険会社をはさんで進んでいきます。その際に、相手方の連絡先が分からなければ、保険会社も連絡の取りようがありません……。
また、できる限り証拠写真などを撮影して残しておくのもよいでしょう。実際の損傷箇所、可能であれば車のナンバーも一緒に写っているような写真が理想です。
これは先述の当たり屋対策にもつながります。
リース会社、保険会社への連絡
示談交渉や修理の手続きなどはすべて保険会社がしてくれます。手続きなどには警察担当者の名前なども必要です。
そのため保険会社への連絡は、警察に連絡したあとにしましょう!警察や救急を待つ間、対応や手続きに関するアドバイスなどを保険会社はしてくれます。もしも連絡中に警察から折り返しの連絡があれば、そちらをできる限り優先しましょう!
リース会社への連絡は優先度が低いので、後日落ち着いたころにかけるのがいいですね。
出光興産(株)の提供しているカーリース「ポチモ」においても、基本的な流れは上記とほぼ変わりありません。
ただ、ポチモは事故を起こした際に必ずリース会社へ必ず報告しなければいけないわけではありません。なので、全損ではない場合は「リース会社への連絡」という工程は省略しても大丈夫。お困りのことがあればお気軽にご相談ください。
なお、もしも破損した車の修理が不可能だと判断されてしまった場合はポチモのコールセンターまで電話をしてください。
「中途解約金」を算出し、破損した車両をどうすればよいのかをご案内します!
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修理代はリース会社が出してくれるの?
リース車で事故を起こしてしまった場合、修理代は自分で出さなければいけません。リース会社が保証してくれることはないので注意しましょう。
「自分で」といっても、保険に加入している場合と加入していない場合とに分けられます。 保険に加入していなかった場合、リース車の修理費はもちろん、ぶつかった対象物(人、車含む)の治療費や修繕費も実費で出さなければなりません。
カーリースによっては自賠責保険代や任意保険代もすべてコミコミのプランやサービスを提供しているところもあります。
また、プランに任意保険代が含まれていなくても、今自分が加入している保険を等級もそのままで引き継ぐことも、自分で新たに保険に加入することもできます。
自分にあったカーリースを探しながら保険をどうするのか吟味しましょう。
事故を起こした際、カーリースの契約は続行?解約?
リース車で事故を起こしてしまった場合、契約はそのまま続けられるのでしょうか?「車はそのまま? それとも変更される?」などなど、気になる点がたくさんありますね。
この章ではリース車で事故を起こした場合、どういう扱いになるのかなどを解説します。
一部破損の場合
クルマの破損が一部で済んでおり、修理が可能な範囲であればそのまま契約続行です! 修理費はそういったプランに加入していない限り、自分または自分が加入した任意保険からの支払いになります。
全損の場合
リース車が全損してしまっている場合は、強制的に解約になると考えておきましょう。
「全損」とは修理が不可能なほど破損している状態か、修理代が時価額(現在の価値)を超えてしまった状態のことを指します。
カーリースの中途解約には違約金が発生する
カーリースは基本的に契約期間中の解約はできません。これにはリース料金の仕組みが関係しています。
「カーリース」はリース会社が購入した車を貸し出して成り立っているため、契約途中で解約されてしまうと会社側のマイナスになります。
それを避けるため、一般的にカーリースは中途解約ができませんし、やむを得ず中途解約してしまう場合でも違約金を支払わなければならないのです。
これは中途解約の理由が盗難であれ事故(全損)であれ、変わりません。
「カーリースで事故を起こし、修理ができないほど大きく破損してしまった場合は強制的に解約となり、違約金を支払わなければならない」
このことをしっかり把握しておきましょう。
たとえば、リース会社によっては事故を起こした場合の対処方法や連絡先などをWebサイトに記載していることがあります。
出光興産(株)のカーリース「ポチモ」では連絡すべきシーンの例を「ご契約者様へ」のページで挙げているので、事前に確認しておくとよいでしょう。
車両事故を起こしてしまったケースや車両が故障したケース、引越しをすることになったケースなどの対応方法が簡潔かつわかりやすく書かれています。
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リース車の事故で違約金が発生することも!?違約金発生を避ける方法はある?
リース車で事故を起こしてしまうと、場合によっては違約金が発生してしまいます。
中途解約によって違約金が発生する件に関しては、前の章で解説したとおりです。
では、違約金の発生を避ける方法はあるのでしょうか?
結論を述べると、そんな方法は“ありません”!
中途解約をされるとリース会社の損失となってしまうため、契約書には「中途解約をする場合は違約金が発生する」という旨が基本的に記載されています。
全損するほどの事故は滅多に起こりませんが……。ないとも限りません。
事故を起こさないよう、気をつけて運転するように心がけましょう!
修理代の相場は◯◯円!実費で払う可能性も
車の修理代は内容によって値段が大きく変化します。今回は部品別の修理代の相場を紹介します!なお、すべて工賃込みの費用です。
あくまでも参考程度にご覧ください。
※こちらの表は横にスクロールできます
修理内容 | 金額 |
---|---|
フレームの修理 | 10〜100万円程度 |
ドアの交換 | 10万円以上 |
バンパーの凹み修理 | 1万円程度 |
バンパーの交換 | 5〜20万円程度 |
サイドミラーの交換(カバーごと) | 1万円程度 |
サイドミラーの交換(モーターごと) | 3万円程度 |
傷の度合いや修理を頼む場所によっても金額は変化します。先ほども述べましたが、あくまでも参考程度にご確認ください!
ぶっちゃけ任意保険は入らなくていい?
結局は個人の判断によりますが、万が一のことを考えて任意保険には加入しておいた方がいいでしょう。
自賠責保険は法律で加入を義務づけられていますが、任意保険はそうではありません。名前のとおり「任意」で加入を決めることができます。
自賠責保険と任意保険とでは保険金が利用できる対象が異なるのです。
このような自賠責保険と任意保険の違いはご存知ですか?
この章では保険の種類について解説をしています。
任意保険に加入するか迷っている方は、今回の話を参考に決めてみるのもいいかもしれません。
自賠責保険とは
自賠責保険は法律ですべての車両所有者に加入が義務付けられています。
これはカーリースも例外ではありません。公道を走行するためには自賠責保険に加入して いなければいけないのです。
もし交通事故において自分が加害者になってしまった場合。自賠責保険は被害に遭った方、またはその家族の救済のために設けられています。
ケガを負わせてしまった、または死亡させてしまった場合に治療費や遺族への慰謝料などを補てんするのが自賠責保険です。
なお、自賠責保険で出せる金額には上限があります。
自賠責保険の上限とは
自賠責保険に加入しているからといって、被害額すべてを補てんしてくれるわけではありません。
自賠責保険の対象は主に下記の3つです。
- 傷害分
- 後遺障害分
- 死亡分
大まかに説明すれば「怪我をさせた場合」「後遺的な障がいが残ってしまった場合」「事故が原因で亡くなった場合」です。
※こちらの表は横にスクロールできます
費目 | 限度額 | 内訳 |
---|---|---|
傷害分 | 120万円 | ・治療費 |
後遺障害分 | 75~4,000万円 | ・後遺症が残ったことによる精神的苦痛 |
死亡分 | 3,000万円 | ・亡くなった被害者と遺族の精神的苦痛に対する補償 |
提示された慰謝料が上限を超えていた場合、超過分は任意保険から支払われます。
しかし、もちろんこれは自分が任意保険に加入していた場合……。
もし任意保険に加入していなかった場合は、加害者が自分のお財布から支払うことになります。
また、自賠責保険は自分のクルマや相手のクルマ、もしくはぶつけた公共物(ガードレールなど)は対象ではありません。
こういった事情があるため、自賠責保険だけでなく任意保険にも加入しておくのがおすすめです!
任意保険にも大きく4種類ありますが、次で詳しく説明していきます。
任意保険とは
任意保険はその名のとおり、自分の意思で加入するかどうかを決めることのできる保険です。会社によっては保険ではなく「特約(オプションのような扱い)」としているところもあります。
主な任意保険として、下記の4点を確認しておくといいでしょう。
- 車両保険
- 対物賠償保険
- 対人賠償保険
- 人身傷害保険
車両保険
車両保険は事故で付いた自分の車の傷や故障部分を修理する際の費用をまかなってくれます。
自損事故はもちろん、自然災害、他人からぶつけられたときなど、あらゆる場面においてカバーしてくれる、心強い保険です。
カーリースの場合も、同じく任意で加入することに変わりはありません。
利用者負担で修理が必要なカーリースであれば、なおさら加入しておくことがおすすめです!
ただし、タイプによって自損事故まで補償してくれるのか、他人からぶつけられた場合に限るのかが変わるので要確認です。
対物賠償保険
車両保険はあくまでも自分の車両が対象でした。一方の対物賠償保険は相手のクルマや物、ガードレールや電柱などの公共物が対象に含まれます。
対物賠償保険に加入する場合、保険金額は「無制限」にすることをおすすめします。
たとえば電柱やガードレールなどにぶつかった場合、決して安くはない金額の支払いが発生してしまいます。お店などに車が突っ込んでしまったら、数万や数十万では足りません。
また、救急車やトラックなどの特殊車両とぶつかってしまった場合、一般的な自動車とぶつかったときと比べて賠償金が高くつく場合があります。
特殊車両の販売価格がそもそもお高い、というのもありますし、交換する部品などの単価が高額なことが理由として挙げられるでしょう。
もし特殊車両とぶつかってしまったら、数百万どころか桁が1つ多い可能性も……。
こういうケースもあるので万が一のことを考え、対物賠償保険の限度額を無制限にして加入するのがよいでしょう。
対人賠償保険
対人賠償保険とは、事故を起こしたことで他人を死傷させてしまった場合に利用される保険です。
ここまで聞いて「あれ、これって自賠責保険と同じ対応範囲じゃない?」と思った方。
正解です!
しかしちょっと待ってください。自賠責保険と、任意保険である“対人賠償保険”には大きな違いがあるのです。
おさらいになりますが、自賠責保険には支払われる金額に限度がありました。相手を死亡させてしまった場合の支払いとして、3,000万円が最大金額として設定されています。
しかし、対人補償保険では無制限に設定することができるのです。
さらに、任意保険に入っていれば自賠責保険で支払えなかった分をカバーしてくれるという特徴もあります。
○対人賠償保険は無制限にすべき?
できるのであれば、無制限にしておくに越したことはないと言えるでしょう。
というのも、実際に事故を起こしてしまった場合に賠償金額が「億」を超えることはざらにあるためです。
人身事故による損害賠償額は、実際に必要な治療費だけでなく、入院・通院による休業で発生した損害や利益の損失など、事故にあったことで生じた間接的な損害も含めて算出されます。
交通事故で死傷させてしまった相手の職業や年収、性別や年齢などによっては、損害賠償額がとてつもなく高額になることも当然、考えられるのです。
このようなところを考慮すると、対人賠償保険は無制限で、それが無理であるならできる限り高額帯での契約をおすすめします。
人身傷害保険
事故を起こしてしまったときに怪我をしてしまうのは、なにも相手に限ったことではありません。
人身傷害保険は自分自身への補償ができる保険です。
さらにこの保険の大きな特徴は、自身の過失に関係なく損害分の保険金が支払われるという点にあります。
人身傷害保険に未加入だと、少しでも自分の過失があればその分は自己負担になってしまいます。
たとえば1億円の損害と判断された事故において、自分の過失が3割だったとしましょう。
その場合、3,000万円は自分で負担しなければなりません。
しかし、人身傷害保険に加入していれば1億円分、まるまる受け取りが可能に!(1億円以上のプランに加入時)
また、契約内容によっては自身のクルマ以外にもタクシーやバス、歩行時の事故などに対応してもらえることも。
自分が気をつけていてもいつか、どこかのタイミングで事故に合わないとも限りません。もしものことを考えて任意保険に加入しておくのは、自分の身を守ることにもつながるでしょう。
まとめ
今回はリース車で事故を起こした際の、さまざまな事柄に関して解説してきました。
カーリースは基本的に中途での解約が不可能です。
もし事故によって全損してしまった場合は強制的に解約となり、それによる違約金を支払わなければなりません。
また、事故を起こしてしまった場合にどこへ連絡するのかはマイカーであってもリース車であっても違いはありません。
最初に警察、怪我人がいた場合は同じタイミングで救急へ連絡。ひと段落ついたら、リース会社や保険会社にも連絡を入れておきましょう。
そして、自分の身を守るためにも、任意保険に加入しておきましょう。
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この記事の監修者
Coco.Life株式会社取締役副社長
ファイナンシャルプランナー
保有資格:CFP®︎/1級FP技能士、証券外務員資格第一種
柚木 康之ゆずき やすゆき
食品メーカーから外資系金融会社に転身後、ファイナンシャルプランナー(FP)として独立。2008年5月には熊本県でCFP®認定者(日本FP協会上級資格)第一号となり、現在は来店型FPショップで地域密着型の活動を続けている。「ひたすら、皆さまの満足のために」をモットーに、“家計のホームドクター“として、年間300人以上のお客様へ「お金」に関するアドバイスを行っている。
よくあるご質問
Q
カーリースの契約に任意保険は含まれますか?
カーリースの契約に任意保険が含まれるかは、提供しているカーリースのサービスによって異なります。
リース料金に任意保険まで含まれるかは各サービスにお問合せください。
なお、ポチモのご契約に自動車保険(任意保険)は含まれていません。
そのため、お客さま自身で新規加入していただくか、現在加入している自動車保険の契約車両を変更(車両入れ替え)していただくようお願いいたします。
Q
カーリースの契約時に自動車保険の等級を引き継げますか?
はい、現在ご加入中の自動車保険の等級を引き継ぐことができます。
もちろん中古車カーリースのポチモでも自動車保険の等級を引き継ぐことができます。
詳しくはお客さまが契約されている保険会社にお問い合わせください。