万が一リース車が故障した場合、修理費用を誰が支払うのかは気になるところです。

結論から言えば「契約内容により異なる」のが実情ですが、大まかな傾向や判断基準を知っておくことで、いざという時の対応にも迷いが減ります。

リース契約の種類ごとの違い（ファイナンス／メンテナンス）

カーリースには、大きく分けて2種類の契約形態があります。

「ファイナンスリース」は、車両本体のみをリースし、保険や整備は自分で手配する必要があります。

一方、「メンテナンスリース」では、定期点検や車検、オイル交換などのメンテナンス費用が契約に含まれることが一般的です。

当然ながら、後者の方が修理費の負担が軽減されやすく、故障時も安心です。

契約内容による修理費用の負担差

契約書の中には、修理費の負担条件が細かく記載されています。

例えば「自然故障はリース会社が負担」「事故など自己責任の場合は利用者負担」といった具合です。

細かな規定を見落としてしまうと、思わぬ出費につながることも。契約時には、こうした取り決めをしっかり確認しておくことが大切です。

自賠責保険と任意保険の適用範囲

修理費をカバーするもう一つの要素が、保険の種類です。

自賠責保険は法律で加入が義務づけられていますが、その補償範囲は限られています。

対して、任意保険では車両保険や対物賠償など、より広い範囲での補償が可能です。車両保険に加入していれば、事故やいたずらによる損傷も補償対象になる場合があります。

リース車が突然動かなくなったり、異音がしたり。

そんなときは、焦らずに落ち着いて行動することが大切です。間違った判断をしてしまうと、後のトラブルにつながる可能性もあるため、対応手順を事前に把握しておきましょう。

まずはリース会社へ連絡を入れる

故障や異常を感じたら、最初にやるべきことは「リース会社への連絡」です。
リース車はあくまで借り物なので、自己判断で修理に出すのはリスクが伴います。特に、修理内容によっては契約違反とみなされ、修理費用を全額自己負担しなければならないケースもあるため注意が必要です。

指定工場の確認と修理依頼の流れ

多くのリース会社では、あらかじめ提携している修理工場が決まっています。

連絡後には、指定工場での修理依頼を促されることが多く、その指示に従うことが基本となります。

自分で勝手に近くの整備工場へ持ち込んでしまうと、補償対象外となることもあるため、あらかじめ流れを把握しておくと安心です。

勝手な判断や修理は契約違反になる可能性も

たとえ軽微なトラブルであっても、独断で修理を進めるのは避けるべきです。

例えば、エンジン警告灯が点灯した場合、走行に支障がなかったとしても、それが重大な故障につながる予兆だった……ということもあります。

こうした「小さな異変」を軽く見てしまうと、後で修理代が跳ね上がったり、リース契約に悪影響を及ぼすリスクがあるのです。

車が故障し、無事に修理が終わったとしても、それで一件落着とはいかないことがあります。

リース契約は「返却前提」の仕組みであるため、修理内容によっては契約条件に影響が出ることも。

ここでは、修理後に起こりうる契約面の変化について確認しておきましょう。

修理内容により契約条件が変わることがある

契約によっては、修理の有無や内容が今後の利用条件に関わることがあります。

たとえば、車両の一部を改造してしまった場合、原状回復が求められたり、途中解約扱いとなる可能性も。

これは、リース会社が設定した「返却時の車両状態」が基準になるためです。

事前に相談することで防げるトラブルもあるので、修理が必要な際はその都度確認することをおすすめします。

車両返却時に修理歴が影響する可能性も

リース契約終了時には、車両の状態をチェックされます。

この際、事故歴や大きな修理が確認された場合、追加費用が発生することも。

特に、車両本体に大きな損傷があったり、修理後も価値が下がると判断された場合には、その差額を請求されるケースもあるのです。

事故に関する記録や修理履歴は、できるだけ詳細に保管しておきましょう。

トラブルを未然に防ぐためには、契約前の確認が何よりも大切です。

ここでは、カーリース契約時に押さえておきたい5つのチェックポイントを紹介します。

いずれも修理や故障に関係する重要な情報ばかりですので、契約書を前にしたときには忘れずに確認しておきましょう。

修理対応の方法や手順が明示されているか

契約書の中で、故障時の対応フローが具体的に記載されているかは重要な確認事項です。
「連絡先はどこか」「修理工場の指定はあるか」といった点が明記されていない場合、トラブル発生時に判断がつきにくくなります。

あらかじめ明文化されていることで、いざというときも安心ですね。

修理費用の自己負担範囲

自己負担がどこまで発生するかは、契約内容によって大きく異なります。

自然故障は無償で対応してくれる契約もあれば、消耗品や外的要因による損傷は利用者負担となることも。

費用が発生するラインを理解しておくと、予算計画も立てやすくなります。

任意保険の補償内容

保険に加入していても、補償範囲を見落としてしまうケースは意外と多いもの。

車両保険がついているかどうか、他人の過失による損傷が補償されるのかなど、細かな内容まで確認するようにしましょう。

特に車両保険なしの契約では、修理代が全額負担になることもあります。

提携修理業者の有無とエリア対応力

指定の修理工場が、住んでいる地域に対応しているかも見逃せません。

遠方にしか対応工場がなければ、車両の移動だけでも手間や費用がかかってしまいます。

全国対応か地域限定かも含めて、事前にチェックしておきましょう。

契約終了時の精算条件（原状回復の有無など）

リース契約では、返却時の「車の状態」が重要視されます。

ちょっとしたキズや凹みが、追加精算の対象になることもあるため、「どの程度まで許容されるのか」を確認しておくと安心です。

「原状回復義務」があるかどうかも、精算の基準に影響します。

カーリースを選ぶ際には、毎月の料金だけでなく「いざという時に備えられるか」も大切な判断材料です。

故障は予期せず起こるものだからこそ、修理リスクを見越した契約内容かどうかを確認しておきましょう。

メンテナンス込みのプランを選ぶメリット

メンテナンス費用がリース料金に含まれるプランでは、予期せぬ出費を抑えやすくなります。

例えば、オイル交換やバッテリー交換、定期点検などがパッケージ化されていれば、面倒な手続きも不要です。

日常的なトラブルにも安心して対応できる点は、利用者にとって大きなメリットと言えるでしょう。

修理費や車検も定額化できるプランの例

近年では、車検や故障修理までもが定額に組み込まれたプランも登場しています。

たとえば、タイヤやブレーキパッドといった消耗品の交換が含まれている場合、長期的に見てかなりのコストカットになります。

こうしたプランは、初期費用を抑えたい方や車に詳しくない方にもおすすめです。

将来的に車がもらえるリースの選択肢も

少しユニークな観点ですが、「契約満了後に車がもらえる」プランを選ぶことで、修理費に対する考え方が変わることもあります。

返却義務がなければ、多少のキズや修理歴があっても追加費用が発生しにくくなり、精神的なハードルも下がるのです。

車を「借りる」から「ゆくゆくは持つ」へ――その発想の転換が、結果的に安心感につながることもあります。

契約内容がどれだけ充実していても、実際のトラブル時にサポートが受けられなければ意味がありません。

ここでは、カーリース会社を選ぶ際にチェックしておきたい「対応力」に関するポイントを紹介します。

サポート体制や緊急対応の有無

24時間対応のコールセンターや、緊急トラブル時のロードサービスなどが用意されていると、万が一のときも安心です。

特に、出先での故障や夜間のトラブルでは、こうした即時対応が助けになります。

サービス内容は会社によって異なるため、契約前にしっかり確認しておきましょう。

提携業者の多さと地域対応力

自宅や職場の近くに提携修理工場があるかどうかも重要です。

特に地方在住の場合は、対応エリアの広さがトラブル時の利便性を左右します。

全国展開しているリース会社であれば、旅行先などでも迅速なサポートを受けられる可能性が高まります。

カーリースは、車を「所有」するのではなく「利用」するという新しい形のサービスです。

だからこそ、万が一の故障やトラブルが起きたときの対応や費用負担については、契約内容にしっかり目を通しておく必要があります。

修理費の自己負担がどこまで発生するのか。どのタイミングで、誰に連絡すべきか。保険の補償はどの範囲までカバーされているのか――。

ひとつずつ確認しておくことで、いざという時にも慌てずに対応できるはずです。

「月額が安い」「新車に乗れる」といった表面的なメリットだけでなく、故障リスクへの備えが整っているかも、リース選びでは重要な視点。

最終的には、自分のライフスタイルと安心感を天秤にかけながら、「この契約なら大丈夫」と思える選択をすることが大切です。

そのためにも、契約前には一度、この記事の内容を思い出してみてくださいね。