高級ミニバンとして人気のアルファード。

その価格帯の高さゆえに、購入のハードルを感じている方も多いのではないでしょうか。

そんな中、注目を集めているのが「残価設定型クレジット」、通称「残クレ」です。ここでは、その基本的な仕組みと、通常の自動車ローンとの違いについて解説していきます。

残価設定ローンの基本的な仕組み

残クレとは、契約期間終了時の「残価（車両の将来の想定価格）」をあらかじめ設定し、その金額を除いた分だけを分割で支払っていくローンのことです。

たとえば、車両価格が600万円で3年後の残価が300万円と設定された場合、ローンの対象となるのは残りの300万円です。これを月々の分割払いにするため、通常のローンよりも毎月の支払い額が抑えられるという特徴があります。

契約満了時には以下の3つの選択肢があります。

1. 新しい車に乗り換える（乗り換え）
2. 残価を支払って乗り続ける（買い取り）
3. 車を返却する（返却）

この柔軟性も、残クレの魅力のひとつとなっています。

通常ローンとの違い

一般的なオートローンでは、車両本体価格の全額を分割で支払っていく形になります。そのため、月々の支払い額はどうしても高めになってしまいます。

一方、残クレでは「残価分を後回しにしている」ため、月々の負担が軽く感じられます。

とはいえ、金利が残価部分にもかかることや、最終的に残価を支払うか手放す必要がある点など、注意すべきポイントもあります。

高級ミニバンとして人気のアルファード。購入を検討する際、月々の支払いを抑えられる「残価設定型クレジット（残クレ）」は魅力的な選択肢です。

ここでは、2025年版の具体的な支払い例を紹介し、購入計画の参考にしていただければと思います。

例①：アルファード Z（2WD）本体価格×3年契約のケース

アルファード Zグレード（2WD）の車両本体価格を5,550,000円とし、頭金なし、ボーナス払いなし、金利2.9％、3年（36回）契約、残価率70％でシミュレーションした場合、月々の支払い額は約67,000円となります。

3年後の残価は約3,885,000円となり、契約満了時には以下の選択肢があります。

1. 新しい車に乗り換える（乗り換え）
2. 残価を支払って乗り続ける（買い取り）
3. 車を返却する（返却）

ただし、再ローンを組む場合、金利が上昇する可能性があり、月々の支払いが大幅に増加することもあります。

例②：Executive Lounge グレードでの支払い例

アルファード Executive Lounge グレードの車両本体価格を6,350,000円とし、頭金1,000,000円、ボーナス払い150,000円×10回、金利4.3％、5年（60回）契約、残価率53％でシミュレーションした場合、月々の支払い額は約34,500円となります。

最終回の支払い額は約3,365,500円となり、契約満了時には以下の選択肢があります。

1. 新しい車に乗り換える（乗り換え）
2. 残価を支払って乗り続ける（買い取り）
3. 車を返却する（返却）

このプランでは、月々の支払いを抑えつつ、高級グレードのアルファードに乗ることが可能です。

金利や残価率、頭金の違いによる影響

残クレの支払い額は、金利、残価率、頭金の設定によって大きく変動します。

• 金利：金利が低いほど、月々の支払い額や総支払額が抑えられます。
• 残価率：残価率が高いほど、月々の支払い額が低くなりますが、最終回の支払い額が高くなります。
• 頭金：頭金を多く支払うことで、月々の支払い額や総支払額を減らすことができます。

これらの要素をバランスよく設定することで、自分に合った支払いプランを組むことが可能です。

アルファードのような高額車両でも、月々の支払い負担を軽くできる「残クレ（残価設定型ローン）」は魅力的な購入方法ですが、当然ながら利点だけでなく注意点も存在します。

この章では、残クレの主なメリットとデメリット、そして契約終了時の選択肢について解説します。

メリット：月々の支払いを抑えられる

残クレ最大のメリットは、支払いの対象額が車両価格の一部になることで、通常のローンに比べて月々の支払いを大幅に抑えられる点です。

たとえば、総額600万円の車両を購入する場合でも、残価設定によって300万円程度を後回しにできるため、支払う金額は実質半分。この仕組みを活用すれば、上位グレードのアルファードにも手が届きやすくなります。

また、短期契約（3〜5年）でのプランが多いため、定期的に新車へ乗り換えるライフスタイルにも向いています。

デメリット：総支払額が増える可能性も

一方で、残クレにはいくつかの注意点もあります。

まず、残価分にも金利がかかるため、総支払額は通常のローンより高くなる傾向にあります。

また、月々の支払いが安く感じられても、最終回の残価支払いが高額になることも多く、買取を選んだ場合には負担が一気にのしかかります。

さらに、車の状態（走行距離・キズなど）が基準を下回った場合、返却時に追加精算が発生することも。契約前には、走行距離制限や返却条件をしっかり確認しておく必要があります。

契約終了時の選択肢と注意点

残クレ契約満了時には、以下の3つの選択肢があります。

1. 新車へ乗り換える：残価での精算は不要。次の車へスムーズに移行できます。
2. 残価を支払って乗り続ける：再ローンを組むことも可能ですが、金利や再審査条件には注意が必要です。
3. 返却する：車両状態が良好であれば追加費用なし。ただし、契約条件を満たしていないと精算金が発生する場合も。

つまり、契約終了時にどうするかをあらかじめ想定しておくことが、残クレを上手に活用するカギとなります。

アルファードのような高価格帯の車種でも、残クレ（残価設定型クレジット）を利用することで、月々の支払いを抑えながら新車に乗ることが可能になります。

支払い例を見ても分かる通り、グレードや頭金、金利、残価率によって支払い額は大きく異なりますが、自分のライフスタイルや予算に合ったプランを組めば、賢く所有することができます。

ただし、残クレには「最終回の高額な残価支払い」や「返却時の条件」など、注意すべきポイントもあります。契約前には、将来的な選択肢や車の使用条件をしっかり把握しておくことがとても大切です。

アルファードを“手が届かない高級車”ではなく、“手の届く高級車”に変えるために、残クレという選択肢をうまく活用していきましょう。