ミライースの概要と人気の理由

ミライースは、ダイハツが販売する軽自動車の中でも「低燃費」と「低価格」を両立したモデルです。発売当初から「誰でも気軽に乗れるエコカー」として支持を集めてきました。

燃費性能はガソリン車トップクラスで、カタログ値で30km/L（JCO8モード）を超えるモデルもあります。

また、シンプルなデザインと扱いやすいサイズ感も人気の理由です。
日常の通勤や買い物用にちょうどよく、維持費も安いため、初めて車を購入する方にも選ばれやすい傾向があります。

このように、経済性と実用性のバランスが良いことから、中古車市場でも安定した需要を保っています。その結果、相場が極端に下がりにくいとされています。

中古価格の平均相場

2025年時点での全国平均相場は、おおよそ30万円〜90万円前後となっています。

初代モデルであれば30万円台から、現行型や高グレードでは80万円を超えるケースもあります。
走行距離が短く、車検が残っている車両ほど高値が付きやすい傾向です。

また、同じ年式でも地域によって価格差が生じます。
都市部では供給が多いため価格がやや下がりやすく、地方では流通台数が少ない分、相場が高めになることも。

購入を検討する際は、全国相場だけでなく、地域ごとの相場も確認しておくと良いでしょう。

価格が上下する主な要因

中古相場を左右する要素は大きく分けて3つあります。

1. 年式と走行距離
2. 修復歴や整備状況
3. 需要の変動

年式が古くなるほど価格は下がりますが、走行距離が短い個体は例外的に高値で取引されます。また、修復歴がある車は同条件のものより10〜20％ほど安くなる傾向があります。

季節によっても価格は変動します。
特に春先の新生活シーズンは需要が高まり、相場が一時的に上がることがあります。

これらの要因を踏まえて、購入タイミングを見極めることが大切です。

ミライースは発売以来、モデルチェンジを重ねながら燃費性能や安全装備を強化してきました。そのため、年式やグレードごとに中古価格の差が明確です。

ここでは、代表的な世代ごとの相場を見ていきましょう。

初代（2011〜2017年）の相場

初代ミライースは、低燃費を前面に押し出したモデルとして登場しました。
発売当初は「エコカーの象徴」として注目を集め、軽量ボディと低燃費性能が高く評価されています。

中古市場では年式が古くなるにつれて価格が落ち着いており、平均相場は20万〜50万円前後。
特に2011〜2013年式は走行距離10万km前後の個体が多く、30万円台で購入できることもあります。

ただし、古い年式ではエンジンのメンテナンスや錆の有無などをしっかり確認することが大切です。

2代目（2017〜現行）の相場

2代目ミライースは、安全装備「スマートアシストIII」を搭載し、デザインも刷新されました。
燃費性能に加え、衝突回避支援ブレーキなどの先進装備が評価され、中古市場でも人気が高い世代です。

2025年時点の相場は、おおよそ60万〜100万円前後。
2019〜2021年式の低走行車は特に需要が高く、70万円台後半から80万円台での販売が目立ちます。
一方で、走行距離が5万kmを超える車両は60万円前後に落ち着く傾向です。

現行型はまだ中古車としての流通が少ないため、価格が高止まりしていますが、今後徐々に落ち着いてくると予想されます。

特別仕様車・限定モデルの価格傾向

ミライースには、特別仕様車「X“LimitedSA”」や「G“SAⅢ”」など、限定装備を備えたモデルも存在します。
これらは標準グレードよりも内装や安全装備が充実しており、リセールバリューが比較的高い傾向にあります。

相場は70万〜100万円台が中心で、年式が新しいものほど価格差が顕著です。

特に「スマートアシスト」付きモデルは需要が集中しており、同条件の車両よりも5〜10万円ほど高く取引されるケースもあります。

長く安心して乗りたい方には、こうした特別仕様車を選ぶのも賢い選択です。

中古車の価格は、年式やグレードだけでなく、車の「状態」によっても大きく変わります。特に走行距離や修復歴、車検の有無は、相場を判断するうえで欠かせないポイントです。

走行距離による価格差

走行距離は中古車の価値を決める最も分かりやすい指標です。一般的に、軽自動車では年間1万kmが目安とされています。

それを基準に、以下のような傾向が見られます。

・5万km未満：状態が良く、相場の上限付近で販売される
・5〜10万km：全体の流通量が多く、価格は中間帯に集中
・10万km以上：値段は下がるが、メンテナンス次第でまだ十分に使用可能

たとえば、2代目ミライース（2019年式）で走行距離3万kmの個体なら80万円前後、10万kmを超えると60万円前後まで下がるケースが多いです。

距離だけで判断せず、整備履歴がしっかりしているかも確認しましょう。

修復歴あり・なしの価格差

修復歴とは、事故などで車の骨格部分を修理した履歴のことを指します。
修復歴ありの車は、外見上問題がなくても、車体強度や安全性に影響する可能性があります。

そのため、同条件でも修復歴ありの車は、修復歴なしよりも10〜20％ほど安くなる傾向です。
ただし、修理内容が軽度で、しっかり整備されている場合は実用上問題ないケースもあります。

販売店に修復箇所を具体的に確認し、納得したうえで購入することが大切です。

車検残・保証付き車の価値

車検が1年以上残っている車は、購入後すぐに維持費がかからないため人気があります。
逆に、車検切れ間近の車は数万円ほど安くなりますが、購入後に車検費用が必要です。

また、ディーラー系販売店では「保証付き中古車」も多く、エンジンや電装系トラブルに対応してくれる点が安心です。

保証の有無によっても、相場が5万円前後変わることがあります。
総支払額で考えると、保証付きのほうが結果的にコストを抑えられる場合もあるでしょう。

中古車選びで大切なのは、相場を理解したうえで「どの条件で、どこから買うか」を見極めることです。

ここでは、価格交渉のポイントから買い時、販売店選びのコツまでを整理します。

価格交渉のコツ

中古車は、表示価格がそのままの販売額ではないこともあります。
交渉次第で5万円前後の値引きが可能なケースも。

ただし、強引に値下げを求めるよりも、整備費用や保証内容を含めた「総額」で交渉するのが効果的です。

たとえば、「現金一括で購入する予定なので、諸費用を含めてもう少し検討できませんか？」と伝えると、販売店側も柔軟に対応してくれることがあります。

また、値引きが難しい場合でも、納車整備やオイル交換サービスを追加してもらえることもあります。
価格よりも「内容」で得をする交渉を意識しましょう。

買い時のタイミング

ミライースをお得に購入したいなら、時期を見極めるのも大切です。

一般的に、中古車の需要が落ち着く夏（7〜8月）と冬（11〜12月）は相場が下がりやすい傾向にあります。
逆に、3月の新生活シーズンは需要が集中し、価格が上がる時期です。

また、モデルチェンジ直後は旧型の在庫が一時的に増えるため、値引きされやすくなります。
新型発表のニュースをチェックしておくと、狙い目の時期をつかみやすいでしょう。

失敗しない販売店選び

販売店選びも、満足度を左右する大切なポイントです。
同じ価格帯でも、整備体制や保証対応に大きな差があります。

ディーラー系中古車店は価格がやや高めですが、整備履歴が明確で保証期間も長い傾向です。
一方、地域の中古車専門店では価格が抑えられ、掘り出し物に出会えることもあります。

どちらの場合も、試乗ができるか、修復歴や保証内容の説明が丁寧かを確認しましょう。
また、口コミやレビューを事前にチェックしておくことで、信頼できる販売店を見つけやすくなります。

ミライースの中古相場は、これまで比較的安定して推移してきました。しかし、燃費や電動化への関心が高まる近年では、今後の市場変化に注意が必要です。

ここでは、今後の価格に影響を与える主な要因を整理します。

ガソリン高と中古需要の関係

ガソリン価格が高騰すると、燃費の良い軽自動車の人気が高まります。
ミライースはガソリン車の中でも燃費性能が優れているため、こうした時期には中古相場が上昇しやすい傾向があります。

特に、燃料費を抑えたい通勤・通学用の車として再注目されており、2024年以降は中古価格がやや上向きに。
需要が安定している分、相場が急落する可能性は低いと見られています。

燃費性能を重視する人にとって、今の相場は「買い時」に近い時期とも言えるでしょう。

EV化の影響による価格推移

近年、自動車業界ではEV（電気自動車）の普及が進みつつあります。
軽EVも各メーカーから登場し、都市部を中心に注目を集めています。
ただ、現時点では価格や充電設備の課題も多く、軽EVが主流になるまでには時間がかかる見通しです。

このため、今後数年間はガソリン軽自動車の需要が維持されると考えられます。
ミライースのような低燃費ガソリン車は、過渡期において「現実的な選択肢」として支持され続けるでしょう。

値落ちしにくい個体の特徴

中古車の中でも、値落ちしにくい車には共通点があります。
ミライースの場合、次のような条件を満たす個体が高値を保ちやすい傾向です。

・2代目（2017年以降）で、走行距離が5万km未満
・「スマートアシスト」付きのグレード
・ボディカラーがホワイトまたはシルバーなど、需要の高い色

こうした車は再販時にも人気があり、購入後のリセールバリューも期待できます。
将来の乗り換えを見据えて、条件の良い個体を選んでおくのも一つの賢い方法です。

中古車購入では、相場や価格だけでなく、実際の車両状態や購入手続きの確認が欠かせません。
ミライースのように年式の幅が広い車種では、整備状況や保証内容の差が特に大きくなります。

ここでは、購入前に確認しておきたい3つの重要ポイントを紹介します。

整備記録簿・保証内容の確認

整備記録簿（メンテナンスノート）は、これまでの点検や修理の履歴を示す大切な資料です。

オイル交換や部品交換の記録が定期的に残っている車は、しっかりと管理されてきた証拠といえます。
一方で、記録がない車は整備状態が不明なため、購入後に思わぬ修理費が発生することもあります。

また、保証内容の確認も重要です。
販売店によって保証範囲が異なるため、エンジン・ミッションなど主要部分がカバーされているかをチェックしましょう。

納車前点検で見るべき箇所

納車前の点検は、実際の車両状態を確認する貴重な機会です。
ボディの傷や錆、タイヤの摩耗具合などは、見た目で判断しやすい部分です。
ただし、エンジンルーム内のオイル漏れや異音などは見落としがちなので、立ち会ってチェックするのがおすすめです。

特に、軽自動車は長距離走行によるエンジン負荷が大きいため、エンジン音が不自然に大きい場合や振動が強い場合は注意が必要です。

気になる点があれば、その場で販売店に確認しておくと安心です。

オンライン購入時の注意点

最近では、インターネットで中古車を購入するケースも増えています。

写真だけで判断する場合は、車両状態や修復歴の表記を必ず確認しましょう。
「無事故車」と書かれていても、細かな補修歴があるケースもあるため、販売元に具体的な修理内容を問い合わせることが大切です。

また、納車後に不具合が見つかった場合の対応についても事前に確認しておきましょう。
返品や修理保証の条件が明確であれば、遠方からの購入でも安心です。

ミライースは、燃費性能と維持費の安さから、中古車市場でも根強い人気を誇ります。
ただし、年式・走行距離・グレード・状態によって価格差が大きいため、相場を理解したうえで選ぶことが重要です。

まず、初代モデルは20〜50万円前後で手頃に購入でき、日常使いに十分な性能を備えています。

一方で、2代目以降のモデルは安全装備が充実しており、60〜100万円前後が相場の中心です。
修復歴の有無や保証内容を丁寧に確認し、価格の理由を理解して選ぶことが、失敗しないコツです。

また、相場が上がりにくい時期を狙って購入することで、よりお得に手に入れることができます。
信頼できる販売店を選び、整備記録簿の確認や試乗を行うことで、長く安心して乗り続けられる一台を見つけましょう。

ミライースは燃費・経済性・信頼性のバランスが優れており、「コスパ重視の軽自動車」としてこれからも価値を保ち続ける車種です。