車を購入する際に、価格交渉を有利に進めやすい時期というものが存在します。

これは、販売店やディーラーが設定している営業目標や決算期に大きく関わってきます。

これらの事情を事前に知っておくことで、よりお得に車を手に入れるチャンスを掴めるかもしれません。

決算期を狙う：年度末（2〜3月）と中間決算期（8〜9月）

車が最も安く買える可能性が高い時期は、ずばりディーラーの「決算期」です。

多くの自動車メーカーや販売店の決算月は3月であるため、その直前の2月から3月は「年度末決算期」と呼ばれます。

2月から3月にかけて販売店は少しでも多くの販売台数を積み上げ、目標を達成しようと積極的に値引きを行う傾向があります。

同様に、半年ごとの目標達成を目指す中間決算期である8月から9月も、値引き交渉がしやすくなる時期と言えるでしょう。

ただし、3月は購入者が多いため、希望の納車日に間に合わせるためには、1月下旬から2月上旬には契約を済ませる必要があるかもしれません。

ボーナス商戦期（6〜7月、11〜12月）

多くの企業で夏と冬にボーナスが支給される時期も、車を購入する人が増える「商戦期」となります。

具体的には、夏のボーナス時期である6月から7月、そして冬のボーナス時期である11月から12月です。

6月から7月、11月から12月は販売店も集客を強化し、特別キャンペーンや低金利ローンなどを打ち出すことがあります。

決算期ほど極端な値引きは期待できないかもしれませんが、付属品のサービスやお得なパッケージなどが用意される可能性も。
ただ、この時期は購入を検討している人が増えるため、ライバルとの競争があることも頭に入れておきましょう。

月末や週末の「締め日」を意識する

年間や半年間の大きな決算期だけでなく、日常的にも「お得なタイミング」は潜んでいます。

多くの販売店では毎月の販売目標を設定しており、その締め日が近づくと目標達成のために「あと一台」の成約を強く望むことがあります。

そのため、月末の最終週の週末や月の最終営業日などは、値引き交渉に応じてくれる可能性が高まるかもしれません。

月末に交渉をする際は販売店側も焦りが出やすいため、強引な交渉ではなく具体的な購入意思を示すことが大切です。

車の価格は、販売店の事情だけでなく、メーカーが計画する「モデルチェンジのサイクル」にも大きく左右されます。

このサイクルを把握しておくことで、新車を安く買うチャンスや、中古車市場での価格変動を読むことができるかもしれません。

フルモデルチェンジ・マイナーチェンジの直前と直後

特定の車種を安く購入したいのであれば、「フルモデルチェンジの直前」を狙うのは非常に有効な戦略です。

フルモデルチェンジとは、車の内外装やプラットフォームなどが一新される大幅な変更のこと。
新型車が登場する直前の旧型モデルは、販売店が在庫を一掃したいと考えるため、大幅な値引きが期待できるかもしれません。

ただし、旧型になるため、最新の安全装備や技術は搭載されていない可能性があることも考慮しましょう。

また、装備の一部変更やデザインの小規模な改良が行われるマイナーチェンジの発表後も、モデルチェンジ前の在庫車が狙い目となることがあります。

車検が切れる直前と走行距離の節目（5万km、10万km）

現在乗っている車を手放して買い替える場合、「車検が切れる直前」が最も合理的でわかりやすいタイミングかもしれません。

車検を通してしまうとその車検費用が無駄になってしまうため、車検満了日の1ヶ月前を目安に買い替えを検討し始めると良いでしょう。

また、中古車市場では車の価値が下がりやすい「走行距離の節目」も意識しておきたいポイントです。

一般的に、5万kmや10万kmを超えると査定額が大きく下がる傾向があります。

もし走行距離がこれらの節目に近づいているのであれば、超えてしまう前に売却し、次の車の購入資金に充てるのが賢い選択かもしれません。

車の購入は、単なる時期の問題だけでなく、ご自身の人生の節目となる「ライフイベント」に合わせて検討することで、より長く、快適に愛車を使用できるかもしれません。

新しい生活に合わせた車の選び方と、購入のタイミングを考えてみましょう。

新しい生活の始まり（就職、転勤、結婚）

新しい生活が始まるタイミングは、車の買い替えや新規購入を検討する絶好の機会です。

例えば、「就職」や「転勤」で通勤距離や利用目的が変わる場合、燃費の良い車や長距離運転に適した車が必要になるかもしれません。

この場合、新しい環境での生活が始まる1〜2ヶ月前には契約を済ませておくと安心です。

また、「結婚」で二人暮らしを始める場合は、それまでの車が二人にとって適切か、将来的な家族構成の変化に対応できるかを話し合う良い機会になるでしょう。

結婚直後よりも、新婚旅行や新居への引っ越しなど、出費が落ち着いた時期に、じっくりと車種を選び始めるのも一つの方法です。

家族構成の変化（出産、子どもの独立）

家族構成の変化は、車の種類そのものを見直す必要が出てくる、最も重要なタイミングかもしれません。

「出産」を控えている場合は、チャイルドシートの乗せ降ろしやベビーカーの積載を考慮し、出産予定日の3〜4ヶ月前には契約を完了させておきたいものです。

特にスライドドアの車や、荷室の広いミニバンなどが候補になるでしょう。

一方で、「子どもの独立」などで大きな車が必要なくなった場合は、夫婦二人での利用をメインに考え、コンパクトカーや燃費の良い車へのダウンサイジングを検討する良い機会です。

この場合、独立による生活費の変化を見極めながら、次の車検の時期に合わせて買い替えを進めていくのがスムーズかもしれません。

この記事では、車をお得に購入できる販売店の事情に関わる時期や、ご自身のライフイベントに合わせた賢い買い替えのタイミングについて解説しました。

車を最も良い条件で購入するためには、ただ待つだけでなく、最適な時期を見極めるための「準備」が欠かせません。

最良のタイミングでスムーズに車を購入するためには、事前に欲しい車種やグレード、予算を決めておくことが大切です。

最もお得で、あなたの生活に合った最高のタイミングで、新しい愛車を手に入れてください。