スポーツカーというと「燃費が悪い」「保険料が高い」「部品が高価」といった印象を持つ方が多いかもしれません。
しかし、すべてのスポーツカーがそうとは限りません。

軽量・コンパクトな構造や国産ならではの整備性によって、意外にも維持費を抑えられるモデルも数多く存在します。
ここでは、維持費が安いスポーツカーに共通する特徴を見ていきましょう。

軽量・小排気量エンジンのモデル

スポーツカー選びで最初に注目したいのが、車の「軽さ」と「排気量」です。

車両重量が軽いとエンジンへの負担が少なく、タイヤやブレーキの消耗も緩やかになります。

また、排気量が小さいエンジンは自動車税が安く、燃料費も節約できます。

たとえば、1.5L以下のエンジンを積んだスポーツカーは、2.0Lクラスに比べて年間の税金だけで1万円近く差が出ることも。

軽量ボディは走行性能の向上にもつながるため、経済性と走りの楽しさを両立できる点も大きな魅力です。

部品コストとメンテナンス性の高さ

維持費を考えるうえで見逃せないのが、部品の価格とメンテナンスのしやすさです。

特に国産スポーツカーは、国内に流通する純正部品や社外品の数が多く、修理や交換のコストが低く抑えられます。

さらに、整備工場やディーラーでも取り扱いやすいため、部品の取り寄せに時間がかからないというメリットもあります。

結果として、トラブルが起きても短期間で安く修理できるケースが多いのです。

「壊れにくく、直しやすい」構造は、長く乗るうえで大きな安心材料となります。

維持費を抑えながらも、しっかり「走る楽しさ」を感じられるスポーツカーは数多く存在します。

燃費や税金だけでなく、保険料や修理費といったトータルコストのバランスを考えることが大切です。

ここでは、コスパに優れた人気モデルを5台紹介します。

トヨタ86/スバルBRZ

手の届く価格で本格的なFRスポーツを味わえる、トヨタ86とスバルBRZ。

両車は共同開発モデルで、軽量ボディと水平対向エンジンが生み出す低重心が特徴です。

部品の共通化が進んでいるため、パーツ代も比較的安価。

整備性も高く、DIYメンテナンスに挑戦するオーナーも多い車種です。

スポーツ走行から普段使いまで幅広く対応し、維持費のバランスも良好といえます。

マツダロードスター

「人馬一体」のコンセプトで知られるロードスターは、軽量ボディと高効率エンジンが魅力。

燃費はリッターあたり15km前後と優秀で、タイヤやブレーキも小径サイズのため交換費用を抑えられます。

オープンカーながら実用性もあり、維持費の安さと走る喜びを両立できる1台です。

また、中古市場にも状態の良い個体が多く、手頃な価格で入手できる点もポイントです。

ホンダS660

軽自動車スポーツの代表として人気の高いホンダS660。

軽自動車規格のため税金や保険料が安く、燃料代も少なく済みます。

小さなボディながらハンドリング性能は抜群で、走る楽しさを十分に味わえます。

タイヤやオイルなどの消耗品もコンパクトで、維持費全体を非常に低く抑えられる点が特徴です。

スズキスイフトスポーツ

スポーツハッチの定番といえばスイフトスポーツ。

1.4Lターボエンジンを搭載しながら、コンパクトカー並みの燃費性能を誇ります。

車両価格・部品価格ともにリーズナブルで、維持費の安さはトップクラス。

日常の移動からワインディングまで幅広くこなせる万能型の1台です。

日産フェアレディZ（中古）

新車価格はやや高めですが、中古市場では手頃な価格帯で流通しているフェアレディZ。

信頼性の高いV6エンジンを搭載し、故障リスクも少ない堅実な構造です。

純正・社外パーツの流通量が多く、修理費も思ったほど高くなりません。

スポーツカーらしい迫力と走行性能を求めつつ、コストを抑えたい方におすすめです。

維持費を安く抑えるには、車の選び方だけでなく、普段の乗り方やメンテナンスの方法も重要です。

ちょっとした意識の違いで、年間の出費が数万円単位で変わることもあります。

ここでは、維持費を賢く管理するための3つの実践ポイントを紹介します。

燃費を意識した走行を心がける

まず最も効果的なのが、走り方の見直しです。

急発進や高回転での加速を控えるだけで、燃費効率はぐっと向上します。

アクセルを一定に保ち、ブレーキを無駄に踏まない「エコドライブ」を意識することで、燃料費を自然に節約できます。

また、優しい運転はタイヤやブレーキパッドの摩耗を減らすことにもつながります。

「丁寧な運転は長持ちの秘訣」と考えれば、燃費だけでなく車全体の維持費を下げる一石二鳥の方法です。

自動車保険を見直す

自動車保険は、加入後に見直しを怠りがちな費用のひとつです。

しかし、年齢や走行距離、利用目的が変わると、より安いプランに切り替えられることがあります。

特に年間走行距離が短い場合は、「走行距離限定型」のプランに変更すると数万円の節約が可能です。

また、複数社の見積もりを比較することも大切です。

同じ補償内容でも保険会社によって金額が大きく異なることがあり、定期的な見直しが結果的に維持費の軽減につながります。

定期的なセルフメンテナンス

整備工場に頼らず、自分でできる点検を習慣化するのも効果的です。

エンジンオイルの量やタイヤの空気圧、バッテリーの状態を月に一度チェックするだけでも、トラブルを早期に発見できます。
結果的に大きな修理を防ぎ、出費を減らすことができます。

また、ワイパーゴムやフィルター類は自分で交換できる部品も多く、部品代のみで済むためコスト削減に直結します。

愛車を自分で手入れすることで、車に対する愛着も深まるでしょう。

スポーツカーは「お金がかかる趣味」というイメージを持たれがちですが、実際には選び方や乗り方で大きく変わります。

軽量で小排気量の車や、整備しやすい国産モデルを選べば、維持費をぐっと抑えることができます。

また、普段の走行やメンテナンスに少しの工夫を加えるだけでも、年間コストは確実に下げられます。

たとえば、燃費を意識した運転や保険プランの見直しは、誰でもすぐに実践できる節約術です。

車の状態をこまめに確認することで、故障を未然に防ぐことも可能です。

維持費の負担を感じるのではなく、「コストを管理する楽しさ」として前向きに捉えることが、長くスポーツカーと付き合うコツかもしれません。

走る楽しさと賢い節約を両立しながら、自分だけのスポーツカーライフを満喫していきましょう。