ランドクルーザーは、トヨタを代表する本格SUVとして高い人気を誇ります。一方で、購入を検討する際に多くの人が気になるのが「維持費」です。

大排気量エンジンや大型ボディを備えているため、普通車よりも費用は高めですが、その分だけ耐久性や信頼性も高く、長く乗り続けられる魅力があります。

ここでは、ランクルの維持費を構成する主な項目と、そのおおよその金額を見ていきましょう。

主な費用項目とおおよその金額

維持費は主に「税金」「保険料」「燃料代」「車検・メンテナンス費」の4つに分けられます。

• 自動車税：年間66,000円〜（排気量3.3〜4.0Lクラス）
• 任意保険料：年間80,000〜120,000円ほど（運転者条件によって変動）
• 燃料代：年間180,000〜250,000円程度（平均燃費6〜8km/L前後で計算）
• 車検・メンテナンス費：年間70,000〜100,000円ほど

これらを合計すると、年間でおよそ40〜55万円程度が目安となります。もちろん、走行距離や使用環境によって変動しますが、一般的なSUVの中でもやや高い水準といえるでしょう。

グレードや排気量による違い

ランドクルーザーには、ガソリン車・ディーゼル車のほか、グレードによっても維持費に差があります。

たとえば、ディーゼルエンジン搭載モデルは燃料代が安く済む一方、初期費用やエンジンオイル交換費用がやや高めです。

ガソリンモデルは燃費こそ劣りますが、整備費が比較的安く、長期的に見ると大きな差は出にくい傾向にあります。

また、ランクル250のような中型モデルは税金・燃料代が抑えやすく、年間コストを10万円近く節約できる場合も。

用途に応じて適切なグレードを選ぶことが、維持費を賢く管理する第一歩といえるでしょう。

ランドクルーザーは新車価格が高く、購入時の負担が大きい車種です。

そのため、「中古なら維持費も安くなるのでは？」と考える方も多いでしょう。しかし、実際のところ新車と中古車では、一概にどちらが安いとは言えません。

それぞれにメリットと注意点があり、維持費のかかり方も異なります。

中古車の方が維持費が安いとは限らない理由

中古車は購入価格が下がるため、初期費用を抑えやすいのが魅力です。ただし、年式が古くなるほど消耗部品の交換や修理が増える傾向にあります。

特にランクルは長く乗られる車種なので、サスペンションやブレーキ系、ゴム部品の劣化が進んでいることも。

その結果、年間のメンテナンス費が新車より高くつくケースも少なくありません。

また、古いモデルでは燃費性能が現行車より劣り、燃料代がかさむこともあります。

中古ランクルを選ぶ場合は、購入前に点検記録簿を確認し、定期的に整備されてきた車かどうかをチェックすることが重要です。

新車購入のメリットと維持コストの安定性

新車は初期費用こそ高いものの、維持費の安定性という面で大きな利点があります。

メーカー保証が3〜5年間適用されるため、故障修理費の負担がほとんどかかりません。

さらに、最新の燃費性能や安全装備が搭載されていることで、トータルの維持コストを抑えやすいという特徴もあります。

また、ランクルはリセールバリュー（売却時の価値）が非常に高く、新車購入後でも数年後に高値で売却できる可能性があります。

短期間での乗り換えを視野に入れている場合、新車のほうが結果的に「コスパが良い選択」になることも多いです。

ランドクルーザーのような大型SUVは、税金や燃料費が高めに設定されているため、日々の使い方や管理次第で大きく出費が変わります。

ここでは、ランクルの維持費をできるだけ抑えるための3つのポイントを紹介します。

いずれもすぐに実践できる内容なので、普段の運転やメンテナンスに取り入れてみましょう。

定期的な点検と早めの整備が鍵

ランクルは耐久性に優れた車ですが、油断すると修理費が高額になることもあります。

特にブレーキホースやエンジンマウント、ゴム類の劣化は早めに対処するのが理想です。

小さな異音や振動の段階で整備を行えば、故障の拡大を防ぎ、修理費を大幅に節約できます。

また、オイル交換やフィルター交換を定期的に行うことで、燃費の悪化も防げます。

こまめな点検は「壊れにくく長持ちする車」にするための最も確実な方法です。

保険・税金を賢く見直す方法

ランクルは排気量が大きいため、自動車税が高く設定されています。

しかし、ディーゼルモデルには「エコカー減税」が適用される場合もあり、対象年式を選ぶことで節税が可能です。

また、任意保険も一度契約すると放置しがちですが、補償内容や走行距離に合わせてプランを見直すと、年間数万円の差が出ることもあります。

インターネット型の保険会社や、年間走行距離を制限するプランを検討するだけでも、無理なく維持費を下げられます。

燃費を良くする運転習慣

燃料費はランクルの維持費の中でも最も負担の大きい項目です。

そのため、燃費を意識した運転が節約の鍵となります。アイドリングを避け、発進時はゆっくり加速を心がけましょう。

また、不要な荷物を下ろして車体を軽くするだけでも、燃費が改善されることがあります。

高速道路では一定の速度を保ち、急な追い越しや加減速を減らすことも効果的です。

「燃料を節約する走り方」を習慣化することで、年間のガソリン代を数万円単位で抑えることができます。

ランドクルーザーは、確かに維持費が高めの車です。排気量が大きく、燃料代や税金も相応にかかります。

しかし、そのコストに見合うだけの価値があることも事実です。

まず、ランクルは耐久性と信頼性が非常に高く、20年以上乗り続けるオーナーも珍しくありません。

エンジンや足回りが頑丈に作られており、多少の悪路や長距離走行でも安心して使えるのが大きな魅力です。

さらに、リセールバリューが圧倒的に高い点も見逃せません。

中古市場では年式が古くても高値で取引される傾向があり、長期的に見れば「売るときに戻ってくるお金」も期待できます。

維持費が高いように見えても、耐用年数や再販価値を考慮すれば、実はコストパフォーマンスの良い車といえるでしょう。

ランクルは単なる移動手段ではなく、「信頼できる相棒」として長く付き合える存在です。

コストを理解し、計画的に管理することで、その価値を最大限に楽しむことができます。